先日、あるイベントでフィリップス・ジャパンの社長さんの講演を聞く機会がありました。
1891年に電球の会社からスタートしたこの会社は、その後家電製品から軍需要産業まで関与するようになったが、戦後の様々な困難を乗り越え、現在はヘルスケア・医療機器に経営をシフトし利益率が高い企業になっています。
講演の中で特に心に残ったことを紹介したいと思います。
現在AIの時代に入っているが、AIは標準化が得意。ヘルスケアの課題は、いかに健康に関心をもたせ行動変容をおこせるかということ。ひとりひとりの生活へマッチングできるサービスが大変重要である。「タイミング」よく「見える化」する。「内容」ももちろん問われる。
ヒトの行動は、①健康な生活を送り疾病を予防していく。②不調時は医師の診断によって病院で治療を行う。③入院治療が終了すればホームケアとなる。
多くの薬局では、ヒトの人生において「健康な生活」「疾病の薬物治療」「ホームケア」において関わっている。患者個人のヘルスデータをもう少し上手に解析でき、生活レベルでサポートできれば話は早い。AIに仕事を奪われるのではなく、AIを利用して薬局の真の仕事ができるのではないかと思う。ひとりひとりの患者さんへのマッチングをいかにすすめるか、が求められる。
・・・とのこと。
現在の日々の薬局の業務では、患者さんとのさりげない会話が重要だと思います。
昨日支援に入ったある薬局では事務さんも患者さんのことをよく知っています。たとえば「犬を飼っている」ということまで知っていて犬のイラストのお薬手帳を渡す心遣いにびっくりしました。
薬ができるまでの時間にいろいろと話しているからか、会話からの情報でもまとめてみれば疾病予防に結びつくことやケアがありそうです。
患者さんに関心をもち思いやりをもって接することで、いろいろと見えてきます。グッドネイバーの精神を発揮すれば、これからの薬局にも対応できるサポートがたくさんありそうです。
富永敦子